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執筆者の写真forcola music

2023.11.12 ライブレポート「真昼の星に耳を澄ます」

11月12日の昼、 吉祥寺MANDA-LA2でライブを行いました。


「真昼の星に耳を澄ます」


共演バンドのSenのボーカル 千成郁子さんがこのイベントにタイトルを与えてくれました。その名の通り昼のライブでしたが、MANDA-LA2はあたかも星が輝く夜の空間でした。


昼なのに星空のようでした

forcolaがMANDA-LA2に出演するのはこれで8回目、いまやすっかり慣れ親しんだホームです。今回ボーカルとピアノのマイクも刷新され、新たな音響空間はとても演奏しやすく、お客様にも好評でした。


さて、今回のライブはその実現にいたるまでいろいろあり、特別なものとなりましたので、ここではそのいきさつからレポートします。

  

まさかの

 

ライブ当日からさかのぼること2週間、Senのボーカルの千成さんからメッセージが。千成さんは喉の調子が理由で出演できなくなってしまいました。


すでにステージ構成や共演曲も決めてリハをしていたものの、千成さんのいないSenはないだろう、かといって今更共演者を変更するのもいろいろ苦しい。forcolaのステージのインスト曲も書き終わっておらず、各曲のアレンジもまだまとまってない状況だったので、まずは焦りました。


が、よく考えてみると、梅原もSenの曲を歌えるし、Senにはインスト曲もあったので、Senにちなんだ曲をforcolaとギターの吉田さんと演奏すれば面白い、そうしたら千成さんの喉の調子が当日回復していたら一緒に歌えるし、ということで一気に方向性が決まりました。

空いてしまった穴を埋める方法はいくらでもあるのですが、穴を埋めることが目的ではないので、当初のコンセプトに立ち返り、それを貫きました。今回千成さんが与えてくれたタイトルが、作曲や選曲・編曲、ステージ構成の方向性やディテールを決めていく道しるべとなりました。



その結果、1st stageはforcolaの世界、2nd stageはギターの吉田さんの力を借りて、少しずつSenの世界に近づいていくような変化に富んだステージ構成になりました。



1st Stage : forcola


【曲目】

  1. Eosphorus

  2. 長雨の終わりに

  3. おもいで

  4. 霧のむこうに

  5. Todo O Sentimento (Cristóvão Bastos / Chico Buarque)

  6. サリーナの宝

  7. 希望の九月


オープニングは今回のイベントに向けて書いた塚本のオリジナル「Eosphorus」(明けの明星)ではじまり、そこから「長雨の終わりに」に続きました。「長雨の終わりに」はforcolaの最新アルバム『into the moment』に収録していますが、ライブでの演奏ははじめてです。




2nd Stage : forcola + Sen


【曲目】

  1. The Road I Walked

  2. うたたね

  3. 光流

  4. Honey Moon

  5. 獅子座流星群

  6. うれしいことば

  7. さよなら

  8. またね

(Encore) 星とたんぽぽ


forcolaの世界からSenの世界へのつなぐため、最初にforcolaの「The Road I Walked」を吉田さんと演奏しました。


forcola + Sen/吉田さん

その後、塚本と吉田さんでインスト3曲を演奏しました。


「うたたね」と「Honey Moon」は吉田さんの曲で、Senのアルバムに収録されている穏やかな曲です(それぞれ『うたたね』『Kirie』に収録)。「光流」は今回のライブのために塚本が書き下ろしたコンテンポラリージャズのインスト曲。二人の呼吸と織りなすハーモニーが、ステージのアクセントになりました。


「獅子座流星群」はSenの『うたたね』に収録された曲で、塚本が好きなナンバー。11月は獅子座流星群が極大(ピーク)を迎えるのでちょうどよいね、と千成さんとも話していました。梅原による歌が曲にまた違った表情を与え、塚本もコーラスに挑戦しました。


「うれしいことば」は、梅原・千成さん・吉田さんの3人ユニット<夕映え>の発表したアルバム『春宵』の収録曲。もはやforcolaのレパートリーと言ってよいほど塚本も馴染み、自然なアンサンブルとなりました。


「さよなら」は長野在住のミュージシャン オギタカさんの曲。オギタカさんは千成さんの音楽仲間なのですが、9月にMANDA-LA2で行われた音楽フェスで千成さんがこの曲を歌っていて、それを聴いた塚本が後日にピアノで弾いて録音して千成さんに送り、それがオギタカさんと共有され、という音のリレーが実は今回の共演のきっかけになりました。



ちなみにこの説明をするためにわざわざフェスのTシャツを着てきた塚本は、ここで上着を脱ぎ捨て夏フェス男に変貌しました。このTシャツは梅原貴子によるデザインで、まだ購入いただけます(2023.11.16時点)。



最後は、Senの「またね」。千成さんが出演できないことへの悲しみ、この歌にこめられた思い、いろいろな感情がいりまじり、感極まり涙する梅原に会場は困惑、もとい、あたたかい声援を送りました。


感動?のシーン。リハ時にも泣いていて、リハと同様に本番でも泣くので、思わず苦笑する男二人

「星とたんぽぽ」

詩人 金子みすゞの詩「星とたんぽぽ」に千成さんが一緒にバンドをしていた上村寛さんが曲をつけたものです。Senは金子みすゞ集を録音していて、千成さんからライブの演奏曲として提案がありました。イベントタイトルそのものの詩の内容なので、ここに引用します。



星とたんぽぽ

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように、
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ、
   見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきにだァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
   見えぬけれどもあるんだよ、
   見えぬものでもあるんだよ。

ライブ会場には千成さんも来ていただき(ご本人の前に演奏するのは緊張しましたが)、素敵な贈り物をありがとう、どんな薬よりも効いた、と言葉をいただき、報われた思いで涙が出そうになりました。またSenのお客様からも良かったと声をいただき、とても安心しました。


千成さんはリハから見守ってくれました。焼いてきてくれたクッキーはおいしかった!

 

今後について


紆余曲折ありましたが、とてもあたたかい空間でのライブになりました。ご来場いただいたお客さん、MANDA-LA2のスタッフのみなさん、Senの千成さん・吉田さんには本当に感謝です。


forcolaの今後ですが、しばらくは同じようなペースでのライブ活動を続けると同時に次の創作も進めていこうと考えています。


そして、近いうちにこの組み合わせでのライブはまた実現すると思います。オギタカさんのいる長野に一緒に行こうという話も出ているので、ついに東京(MANDA-LA2!)以外での演奏が実現しそうです。


というわけで、またのお知らせをお楽しみに!

ありがとうございました。



(了)


 

※ライブ会場での写真はすべて山本製作所さんからのご提供です。ありがとうございます!


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